がんの治療と鍼灸治療
最近、高山知朗さんという方が、幻冬舎から「 治るという前提でがんになった 情報戦でがんに克つ 」という本を出されました。
「 40歳、脳腫瘍。42歳、白血病。5年生存率10%--- 徹底的に調べつくして2度のがんを生き延びた、IT社長のすごい方法」
本の帯より引用。
なんと2度も重大ながんに罹ったものの、現在45歳で奇跡的に“寛解(カンカイ)”した方の体験記です。ガンに限らず、治療を受けるノウハウや心構えについて、徹底的に研究したことを本としてまとめられています。
そして、本の中には、当院で体感した“鍼の効用”についての体験も、書かれています。 今回、特に治療の手応えを感じられた様子を見て、少しブログに書こうと思い立ちました。
高山さんは、もともとは、奥様のご友人が当院の患者さん、というつながりでいらっしゃった方です。 初回は、がんの治療ではなく、帯状疱疹の治療で来院されました。 帯状疱疹という病気は、体の中で眠っていたウイルスが、免疫の低下に合わせて暴れだすという病気です。ウイルスは、神経に取り付いて悪さをします。そのため、とても嫌な痛みが出ます。 一般的に、初期の段階では、抗生物質が効きますが、初期を過ぎるとかさぶたになって治るまで待つしかありません。
高山さんの場合、抗がん剤や放射線治療の影響で免疫力や体力が極端に低下しているのが原因と思われました。 そのため、患者さん自身の自然治癒力を使う、鍼灸治療に対して、なかなか納得はされない様子でしたが、手術の傷跡の痛みやしびれが楽になったり、一緒に来院された奥様の体調が回復されたりしたことで、一定の効果を実感されたようです。
先日、ついにすべての治療が終了して、“寛解”となったあと、再来院され、施術をしたところ
「 今日はよく効きました 」
と初めて口に出しておっしゃいました。 もともと、徹底して理論的に考える方が、初めて口にされたので、驚いてしまいました。
がんの治療が終了して、基礎体力や免疫力、治癒力が回復し、鍼治療の手助けを感じることができるまでに快復されたのでしょう。
手術の後遺症や不快感などが取れなくて、苦しんでいる方は、一度お近くの鍼灸院での治療を検討されてはいかかでしょうか。