美しい人間とは
医師で宇宙飛行士の向井千秋さんは次のように読売新聞欄で述べています。
「顔の解剖をさせていただいた時、皮を一枚はぐと、皆同じように見えました。美人といわれていようが、美男子といわれていようがね。骨相学をやっている人なら、そこから元の顔を想像できるのかもしれません。でも、私の目には同じにしか見えなかった。
その時、生きていなければだめなんだ、とはっきり思いました。
初めて心臓の外科手術をした時のことも鮮明に覚えています。
心臓が動いていると手術ができないので、濃度の高いカリウム液を入れて心臓を一時的に止めます。そして一時間ぐらいの間に人工心臓弁に取り替えるなど、色々な処置を行うわけです。
本当に心臓を止めちゃって大丈夫なのかな、またちゃんと動き出すのかな。最初はとても不安でした。
でも手術が全部終わって、大動脈から温かい血液を冠動脈に流してやると、心臓がバラ色になって少しずつ動き始めるんだよね。その感激というのはすごかったね。生きているとはこういうことなんだと。
生きていて、やりたいことをやって、目が輝いていれば、それだけでもう美しい。それがきっと、自分に与えられた運命を全うすることになる。すばらしい人生になるはずだ。」
2015年2月16日、読売新聞、時代の証言者より
美しい人間とは、一生懸命生きている人のことだと私は思うのです。
佐藤鍼灸院 院長 佐藤高一郎