顔面神経麻痺の治療
46歳製造業の男性が顔面神経麻痺の治療で来院されました。
1週間ほど前から首が凝って不調を感じるようになり、2、3日前になると、頭痛と右側の後頭部が突っ張った感じが出てきました。 つらさを取りたくてマッサージに通いましたが、少しとれただけで、あまり症状が変わりません。
そうこうしているうちに、目と口の周りがこわばって、動かしにくくなってしまい「これは大変なことになってしまった」と感じ、あわてて病院へ行ったということでした。
しかし、病院へ行ったところ「症状が軽いので、それ以上ひどくなったらまた来院してください」と言われて、手当てらしい手当てがなく終了してしまいました。
見捨てられてしまったとの思いから、ストレスで一昼夜眠れなくなってしまいました。
さらに、眠れない間、顔面神経麻痺の症状についてインターネットで調べ、ひどい症例の写真をたくさん見てしまいノイローゼ状態にまでなってしまったそうです。
そのとき、検索する中で“鍼灸治療”が有効だという情報にたどり着き、当院に飛び込んできたということでした。
<治療>
首と肩の凝りを中心として、治療をしていく。
口周りのこわばったところにも鍼を打つ。
翌日、こわばりの7割ほどが取れる。
2回目、少し症状が戻ったということだが、治療をしてまた回復する。
5回目で、ほぼ戻らなくなり、また肩こりを感じるようになったら治療に来るように指示し、治療を終了とした。
現在まで、再来院はありません。
この方は、症状が軽いうちに鍼治療にかかられたので、すぐに回復することができました。 また病院では、ステロイドという副作用の強い薬を使う治療が主であるため、様子を見るという選択がされたようです。
顔面神経麻痺は、肩・首・頭の後ろの筋肉が凝って硬くなることで、神経に負担がかかり、麻痺を起こします。 そして、麻痺を起こすほどの凝りですから、鍼治療がとても効くのです。
どうにもならない痛みやコリは、ひどくなる前にお近くの鍼灸院を尋ねてみてください。