緩徐雀啄術が効果的だった症例
◇ 症例の背景
40代の女性。 助産師として忙しく働いておられます。
10代後半から潰瘍性大腸炎を患い、28歳で大腸を全摘出されました。その後も体調の波があり,35歳頃から当院で全身の調整を始めました。
■ 今回のご相談
風邪気味で頭が重く、夜になっても足が冷えて眠れない。足湯で熱いくらいに温めても、しばらくするとまた冷えて目が覚めてしまう。ついには夜明けまで眠れなかったとのことでした。
首から肩にかけても強い凝りがあり、全身が緊張している状態でした。
■ 治療の考え方
このような場合、単に足を温めるだけでは根本的な解決になりません。自律神経の乱れや、内臓の疲れが背景にあることが多いのです。
そこで今回は、
「緩徐雀啄術(かんじょじゃくたくじゅつ)」というゆっくりとやさしく、しかし確実に反応を引き出す方法で施術を行いました。
■ 実際の施術
首から肩にかけては少ししっかり目に。背中の風門・肺兪など、風邪の時に重要なツボを中心に整えました。
その下にある心兪や厥陰兪は、疲れている心臓や自律神経をいたわるようにやさしく刺激しました。
さらに腰部では、三焦兪・腎兪・大腸兪などを用いて、体の芯を温める調整を行いました。腎兪・大腸兪は一番鍼でやや深めに打ちましたが、ほとんど反応がありません。
これこそ緩徐雀啄術の出番です。
今の反応は、身体が疲れすぎて刺激を感じ取れないだけです。よって、強刺激を与えてはいけません。やさしくやさしく緩徐雀啄術をくりかえすのです。少しずつ、なんとなく感じてきます。
施術中、「なんとなく足が暖かくなってきました」という言葉が出たところで刺激をとめました。
最後に手足のツボを整えて終了です。
■ 施術後の様子
帰り際、「体がポカポカして、今日はぐっすり眠れそうです。」と笑顔で帰られました。
翌週の来院時には、「あの日は久しぶりに深く眠れました。」と静かに話してくださいました。
■ 鍼の太さについて
鍼には様々な太さがありますが、大切なのは太さの選択よりどれだけ正確にねらいのツボに刺激を届けられるか。そして患者さんの身体の反応を感じ取れるか。そこに技術があります。
🍁最後に
緩徐雀啄術は、強い刺激ではなく身体が自然に整っていくのを助ける方法です。
眠れない、冷える、疲れが取れない…そんなお悩みがある方は、
一度ご相談ください。







